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【飲食バイト】恐れ入りますを繰り返すと、機械的な接客になる

私は学生の頃から飲食店でアルバイトをしておりました。

色んな接客用語や言葉遣いを教わりましたが、
今日は、“恐れ入ります”という言葉を使っていて感じた、
私の個人的な考えを書いていこうと思います。

がむしゃらに下げものをしていた頃

下げものをする時、親切なお客様がお皿を渡してくれることがありますよね。
テーブルの奥の方にあるお皿など、取りにくいので非常にありがたく、
新人だった私は「ありがとうございます!」と言っていました。
それを聞いていた2つ上の学生の先輩が、さっと後ろから私に
「そういう時は、“恐れ入ります”なっ」とぼそっと教えてくれたのです。

恐れ入ります
→感謝や恐縮を表す言葉ですね。この場合は、本来こちらがサービスを提供しなければならないのに、お客様にお店の手助けをしてもらったことから、申し訳なさと感謝を伝えることが出来ます。
下げものの時以外でも、何かお願いする時などに“恐れ入りますが...”とクッションとして使ったりします。

当時、まだ学生だった私は、敬語を使う頻度も少なく、接客用語にも慣れていなかった為、
「(あぁ!このタイミングで使うのか!)」と、素直に1つ学ぶことが出来ました。

下げものをする意味

基本予約で埋まってしまうお店の為、中間バッシング(ホールを回りながらお客様がいる状態でする下げもの)が、どれだけしっかり出来ているかによって、次のお客様のご案内のスムーズさに繋がっていました。
さらに、料理を運んだりオーダーを取る為ホールに出たら、デシャップ(料理が出てくる、ホールと厨房の中間地点)に戻ってくるまでに何か1つでも下げものをしなさいという方針もあった為、新人の子は必死に下げものをしていたのだと思います。

しなければいけないという圧力

これには、“ホールを回りながらも、各テーブルの状況を常に把握しなさい!”という意味が込められています。
ですが新人には、何か下げて持ってこないと怒られてしまうというプレッシャーになり、無理に下げものをした結果、お客様とトラブルになる事がよくありました。
特に飲食店は、歳の近い学生の先輩が教えることが多いので、意味を把握しないまま、上から言われた言葉をただ言うだけになってしまう場合があるので、プレッシャーとして受け取ってしまう子が多いのではないでしょうか。(このプレッシャーに関する話は、今度書くことにしましょう)

“恐れ入ります”の違和感

実際この頃にはプレッシャーもなく、下げものをしなければいけない本来の理由を自分で理解していました。
なので、お客様から「このお皿下げていいよ!」と、取りにくい奥の食器を渡してもらえると、本当に助かるのです。
その度に「恐れ入ります!」と言っていたのですが、
自分が仕事をすればするほど、テンポよく下げものが出来るようになればなるほど、
その言葉に違和感を感じるようになってしまいました。

なんだか私、機械みたい...

代わりの言葉

自分が思っている気持ち(わ...本当に助かる!!でも、こんなにお皿まとめてくれて、本来なら私がやらなきゃいけないのに申し訳ないなぁ...)この意味が詰まった、スーパー便利な言葉、“恐れ入ります”が、なぜか薄っぺらに聞こえてしまうのです。
もちろん棒読みでなく、気持ちも込めて言います。抑揚もつけます。

それでも何かが違う...

そこで私は試しに、「ありがとうございます!」という言葉を使ってみる事にしました。
すると、さっきまであったモヤモヤした感覚はなくなり、気持ちがストレートに伝わってるように思えたのです!

なぜ“ありがとう”がしっくりきたのか

おそらく“恐れ入ります”と繰り返すことにより、意味よりもこの接客用語のテンプレ感が強くなってしまい、同じ言葉を繰り返し使う事に罪悪感が生まれたのかもしれません。
なので、「ありがとうございます」の言葉の方が良いという訳ではなく、別の言い方で感謝を伝えたことが、このモヤモヤを解消してくれたのだと思いました。

今私がしている事

今は、食器を渡してくれたり、手前に寄せてくれた人に対して、「ありがとうございます!」と「恐れ入ります」の両方を気持ちを込めて使っています。プラスで、「助かります」や「お味は如何でしたか?」など、ちょっとした会話も挟むようにしています。

もちろん人も選びます。
例えば小さな子供なら、柔らかく親しみを込めて元気に「ありがとう!」
仕事の接待で利用してくれているなら、落ち着きを持って丁寧に「恐れ入ります
若いサラリーマンがわちゃわちゃ楽しそうに飲んでいるなら、ノリノリに「ありがとうございます!」

結局使い分け出来ないと、言い換えちゃいけないのかな?とか、人をみて言い換えなきゃいけないなんて、難しいそう...と思うかもしれないですが、始めからそんなレベルは求められないので安心してください。
私も初めは罪悪感から、色んな言葉に言い換えるだけでした。
それでも、意識する事によって、結果会話にバリエーションが生まれ、より1人1人のお客様とコミュニケーションが取れるようになったと、実感しております。

新人さんへ

お店の方針はどこも違うと思うので、絶対に“恐れ入ります”じゃないとダメ!というところもあるかとは思います。それでも、言葉のニュアンスや抑揚のつけ方を変えたり、追加で会話をする事によって、気持ちの伝え方にバリエーションを持たせるように意識してみて下さい。

接客にまだ慣れていなくても、自分の知っている言葉でお客様とコミュニケーションを取ることは十分可能です。決められた正しい言葉を使うことも大事ですが、あまり難しく考えず、あなたらしい接客を見つけてください。

万が一、小さな言葉の間違いに、いちいち突っ込んでくるようなお客様がいたら、それは人としてどうかしています。あなたが頑張っている姿勢があるのなら尚更です。
教える作業は店側でやるものですから。
親切心と言って色々言ってくる客は、自分が優越感に浸りたくて言っているにしか過ぎません。直すところだけ吸収して、あとは記憶から消すことをお勧めします。
そしてそんな嫌なお客に当たった時に、あなたが間違ったことが事実なんだからと、お客の肩を持つような先輩や社員のいるお店は、パワハラなどが起こる可能性があるので、辞めることをお勧めします。

非協力的な人でも

今回は、お皿を渡してくれる事を前提に話していましたが、実際は食器を渡してくれない人もいますし、少しずつお皿に食べ残してぺちゃくちゃ喋っているだけの人達もいます。
大事な話をしていて、あまり何回もテーブルに来て欲しくない、鬱陶しいと思う人もいるのは事実ですから、お店に協力的じゃない人が悪いとは言いません。

なので、この話を読んで、義務感として店員が来たら“食べ終わったお皿を渡さなきゃ!”と思うようでしたら、そこまでのプレッシャーを感じる必要はないので安心して下さいね。
よくあるのは、接客業を始めたばかりで、下げものをしないと!と真面目な人ほど、お客側になった時に、空いたお皿を店員さんに渡さなきゃ!取りやすい場所に置いとかなきゃ!と思ってしまうものです。そんな人は、今日私はお客様なんだ!と割り切って、気にせず楽しく食べて下さい。

お客様に美味しく食べてもらえることが、一番です。